先月見た映画(2017年8月)

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○はブログで取り上げた作品。●は取り上げなかった作品です。

●「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」
Amazonビデオで見ました。
ドローンを使った現代の戦争を描いた作品です。ロンドンの司令部で,アメリカ軍のMQ-9リーバ-無人偵察攻撃機を使って,イギリス・アメリカ軍が合同でケニアと協力し,ナイロビで準備が進められているテロを未然に防ぐ作戦が展開されます。指令はロンドン,無人攻撃機の操縦はアメリカのネバダ州で行っているのです。ところがテロリストの拠点をミサイル攻撃しようとしたとたん,建物のそばにパンを売る少女が店を出します。その少女を巻きこむ攻撃をすべきかどうか,許可を出すのは誰か。司令部は苦慮した結果,結局攻撃は行われ,少女は命を落とします。MQ-9リーバ-の,のっぺりとした機首のデザインは不気味です。しかし,この映画は一種のファンタジーでしょう。一人の少女を犠牲にするかどうかで,攻撃を躊躇するとは思えません。また「世界一安全な戦場」のサブタイトルは不要でしょう。

●パシフィック・リム
Netflixで見ました。
「パシフィック・リム」とは環太平洋地域のことで,太平洋にできた異次元との裂け目から次々と現れる怪獣を,環太平洋防衛軍の巨人ロボット兵器が迎撃する物語です。日本の怪獣映画の伝統を受け継ぐ作品で,怪獣は英語でもkaijuと呼ばれています。菊地凛子(幼い時代は芦田愛菜)が重要な役で出ています。防衛軍のロボットは,パイロットが神経を接続して操縦するのですが,負担が重いため右脳・左脳を2人で分担して同期することになっています。ちょっと設定がこね回し過ぎた感があります。怪獣と巨人ロボットの戦いも暗いシーンが多く,日本の怪獣映画のような明快さはありません。第2作が制作されているようですが,どうなるのでしょうか。この映画のギレルモ・デル・トロ監督の作品に「パンズ・ラビリンス」という作品があります。これに出てくる目が手のひらにあるペイルマンに,無人偵察攻撃機MQ-9リーバ-が似ていることを思い出しました。

○「ザ・マミ- 呪われた砂漠の王女」
映画館で見ました。
http://storiamondiale.sakura.ne.jp/uno/2017/08/13/
http://storiamondiale.sakura.ne.jp/uno/2017/08/14/

○「カサノバ」
DVDで見ました。
http://storiamondiale.sakura.ne.jp/uno/2017/08/16/
http://storiamondiale.sakura.ne.jp/uno/2017/09/08/

●「カサノバ」(監督フェデリコ・フェリーニ)
DVDで見ました。
こちらのフェリーニの「カサノバ」は,雰囲気がまったく違います。ヴェネツィアのカーニバルのシーンで始まるのですが,巨大な女神の頭部が海から現れるなど,独特の美意識で撮られています。カサノバの衣装や化粧,海をあえてビニールのシートで表現するなど,舞台の演劇のようです。カサノバの自伝のエピソードをつなぎ合わせたような構成で,突然一つのエピソードが終わり,次のエピソードが始まります。何かに似ているなと思ったら,そう,日本の歌舞伎でした。

●「1900年」
DVDで見ました。
「ラストエンペラー」のベルナルド・ベルトリッチ監督の5時間16分の長編です。1901年から1945年まで,同じ年に生まれた地主の子と小作人の子の友情と反発を軸に,地主と小作人の対立,ロシア革命の影響下の社会主義運動の高揚,ファシズム運動の台頭,第二次世界大戦終結によるファシズムの崩壊までを描いています。とくに社会主義の浸透に対して旧来の地主勢力がファシズムを支持する姿と,戦後の彼らに対する農民の怒りを描いています。農村のファシストを演じたのが,フェリーニの「カサノバ」でカサノバを演じたドナルド・サザーランドです。しかも1976年の同じ年公開です。ここにはおしゃれなイタリアはまったく出てきません。なお,原題「Novecento」は,イタリア語で「900」のことですが1900年代すなわち20世紀のことです。邦題「1900年」は変です。

私の参考書です。CDの声は女性のナレーターです。

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