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今回は,この映画では描かれなかった後日談です。
1968年にジョン・F・ケネディの弟ロバート・ケネディが大統領選挙中に暗殺されると,自らと子供たちの身の危険を感じたジャッキーは,周囲の反対を押し切ってギリシアの海運王オナシスと再婚しました。
ロバート・ケネディ暗殺も映画になっており,過去に私はブログに書きました。
http://blog.goo.ne.jp/romanee78/e/0a9814be005d37767ececf8132fb9dca
オナシスは,フルネームをアリストテレス・ソクラテス・オナシスといいます。古代ギリシアの三大哲学者ソクラテス・プラトン・アリストテレスのうち2人が名前に入っています。
まったくこの映画とは関係ないのですが,プラトンのイデア論について,私が簡単に説明した映像があるので,よければ見てください。世界史の入試でも慶応の商学部で,イデア論について簡単に説明させる問題が出ています。
オナシスと結婚したジャッキーですが,オナシスには愛人がいました。オペラ歌手として有名なマリア・カラスです。
彼女は美貌とその歌唱で世界的名声を得たのですが,難度の高い曲を歌い続け,10年ほどで声がダメになってしまいました。高い声が出なくなったのです。
声が出なくなったのと同じ頃オナシスと出会って愛人となり,オナシスがジャッキーと結婚したのちも関係は続いていたようです。
カラスは,1969年に主演したパゾリーニ監督の映画「王女メディア」では1曲も歌いませんでした。
「王女メディア」はギリシアの三大悲劇詩人エウリピデスの「メディア」が原作です。
三大悲劇詩人は,先ほどのソクラテスと同じ頃,アテネで活躍したアイスキュロス・ソフォクレス・エウリピデスで,他の二人の代表作には,アイスキュロスは「アガメムノン」,ソフォクレスには「オイディプス」があります。
また,これに対して悲劇詩人にアリストファネスがいて,代表作には「女の平和」があり,「雲」という作品にはソクラテスが登場します。
「王女メディア」の監督のパゾリーニは,1975年「ソドムの市」という作品の撮影を終えた直後,殺されました。映画がネオファシストに対する風刺・批判であったためではないかとされています。
この映画「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」の中で,ジャッキーは寝る前にケネディとともにレコードをかけて聴いたと言っています。それはミュージカル「キャメロット」のレコードでした。
歌っているのは,多くの史劇に出演しているリチャード・バートンです。エリザベス・テーラーとの結婚・離婚をくり返したことでも知られています。
「キャメロット」は中世文学のアーサー王を題材にしたミュージカルで,キャメロットはアーサー王の王国の都で理想郷の名です。
ジャッキーにとって,ケネディと暮らしたホワイトハウスが理想郷だったのでしょう。
1975年,オナシスが亡くなるとジャッキーはニューヨークに戻り,編集者の仕事に就きました。そして1994年に病気で亡くなっています。
ケネディとジャッキーの次男ジョン・F・ケネディ・ジュニアは,ケネディの国葬の日が3歳の誕生日でした。幼い彼がケネディの柩に敬礼する姿が人々の涙を誘いました。
その後,地方検事をつとめたのち,雑誌の発行人となりました。ハンサムで大統領候補としても期待されたのですが,1999年に38歳で飛行機事故で亡くなりました。
姉のキャロライン・ケネディはオバマ政権下で日本大使となって来日したことで知られていますね。
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