「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」(1) ケネディ暗殺 ザプルーダ・フィルム

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ジャッキーとは,1963年11月22日,テキサス州のダラスで暗殺されたケネディ大統領の妻ジャクリーン・ケネディの愛称で,当時彼女は,華やかな装いとイメージでファッションアイコンとして人気がありました。

夫の暗殺後,彼女が苦悩のなかで揺れ動く姿を描いたのが「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」です。

http://jackie-movie.jp/

彼女のファッションを楽しみに見た人は,ちょっとがっかりしたかもしれません。

ジャッキーが暗殺の日に身につけていたのは,ピンクのシャネルスーツですが,それはケネディの血で汚れてしまいました。

政治的空白を作らないために,暗殺後すぐに大統領専用機エアフォースワンで,副大統領であったジョンソンの大統領就任式が行われましたが,彼女はその血で汚れたスーツで出席しています。

暗殺以前にジャッキーがホワイトハウスを案内するテレビ番組では赤いスーツを着ていましたし,暗殺されたあと,悲しみの中でホワイトハウスで何枚も衣装を取り替える場面もあります。

しかし,あまり記憶にのこらないかもしれません。

なぜなら,この映画は,ほとんどジャッキーを演じたナタリー・ポートマンのアップなのです。彼女の表情,仕草を中心に映画は進みます。

ナタリー・ポートマンは,「レオン」のマチルダや「スター・ウォーズ」のアミダラ姫で有名ですね。「ブラックスワン」ではアカデミー賞主演女優賞に輝きました。

歴史的な映画では,「ブーリン家の姉妹」でイギリス王ヘンリ8世イギリス国教会を設立する原因となったアン・ブーリンを演じています。

この映画「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」は,ケネディの葬儀のあと,しばらくして行われたインタビューでの回想の形をとっています。

したがって時系列がややわかりにくいかもしれません。

ホワイトハウスの内装はそれまで大統領が替わるたびにリフォームされていましたが,ジャッキーはイギリスに渡っていたリンカン時代の家具などを買い戻し,ホワイトハウスを歴史的な内装にしたてあげました。

ただ,ケネディ大統領自身は,それを単なる浪費としか思っていませんでした。

そのホワイトハウスの内部を案内するテレビ番組が制作されました。

YouTubeでは,実際に放映された番組そのものを見ることができますし,今回の映画で再現されているものと,当時の本物の番組とを比較したものも見ることができます。

また,ジャッキーは,ケネディの葬儀を,暗殺された偉大な大統領リンカンの葬儀に関する資料を取り寄せて企画しました。

ところで,たまたまケネディのパレードを8ミリで撮影していて事件を撮影することになった,撮影者の名からザプルーダ・フィルムと呼ばれる映像は,見たことがある人が多いと思います。

私は,映像授業で使うため,制作のスタッフに使用許可の交渉をしてもらったことがあるのですが,あまりにも高額の使用料を要求されたため,あきらめたことがあります。

当時,ザプルーダ家と合衆国政府との間でフィルムの所有権や権利をめぐっていろいろあり,最終的には合衆国政府が買い取ったようです。

ケネディの暗殺を取り上げる映画やテレビ番組では必ずこのフィルムが流れます。

ところが,ジャッキー中心のこの映画には,まったく使われていません。

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