「エクソダス 神と王」(2) ピラミッドとラムセス2世

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物語はご存じの人が多いとは思いますが,簡単にまとめると次のようになります。

エジプト王家で王子ラムセスとともに育ったモーセは,ヘブライ人の子であることが明らかになって追放されます。たどり着いた村で結婚し,子供も出来ますが,迷った羊を探しに山に登り,神に出会います。

エジプトに戻ったモーセは,ヘブライ人を率いてエジプトから脱出しようとしますが,ファラオとなったラムセスが認めません。そこでさまざまな奇跡が起こり,ヘブライ人はエジプトを出てカナーンの地に向かうことが許されます。

しかし,気が変わったラムセスは軍を率いて,ヘブライ人を追撃します。紅海にたどり着いたヘブライ人は神の奇跡によって海のなかにできた道を渡りますが,エジプト軍は海に沈んでしまいます。

その後,シナイ山でモーセは神から十戒の刻まれた石版を受け取り,さらなる旅を続けます。

今回の「エクソダス 神と王」は,オープニングから驚かされます。

巨大なピラミッドがあちこちに建設されているのです。

サッカラにあるジョゼル王の階段ピラミッドのようなピラミッドも,あちこちに建っていますし,スフィンクスもいくつもあります。

さらにラムセス2世は,自分のピラミッド建設を進めています。

古代エジプトは,古王国時代・中王国時代・新王国時代に分けられ,ギザにあるクフ王のピラミッドに代表される巨大ピラミッドは古王国時代に建設されました。

中王国時代には,規模がずっと小さくなります。新王国時代になると,王家の谷に墓を作るようになりました。

新王国時代のラムセス2世は,ピラミッドは作ってはいません。

さらに都はメンフィスになっています。古代エジプトの都は,古王国時代がナイル川下流のデルタ地帯にあるメンフィスで,中王国時代と新王国時代がテーベというのが受験では常識です。アメンホテプ4世のときは中間のテル・エル・アマルナに遷都しました。

受験では出ませんが,ラムセス2世はデルタ地帯に新都ベル・ラメセスを建設しています。でも,メンフィスではありません。

さらに,現在ルクソールと呼ばれるテーベにあるカルナック神殿のような宮殿や,ずっと上流にあるアブ・シンベル神殿まで出てきます。

アブ・シンベル神殿はラムセス2世の4体の巨像が正面に配置されています。アスワン・ハイダムの建設で水没するため,ユネスコがエジプト政府と協力して山上に移築しました。

アスワン・ハイダムといえば,その建設資金を捻出するため,エジプト大統領ナセルが1956年スエズ運河国有化を宣言すると,第2次中東戦争,つまりスエズ戦争が起こりました。アスワン・ハイダムは,その後ソ連の資金援助で建設されました。

それはともかく,この映画,あらゆるエジプトのシンボルが満載です。

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