「アサシンクリード」 (3) アサシン教団とコロンブスの墓

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テンプル騎士団
は現在も存在していて,人間のDNAに記録されている過去を再現することのできるアニムスと呼ばれる機械を開発し,長い間人間を暴力から解放する「エデンの果実」を奪い合ってきたアサシン教団のメンバーを先祖にもつ死刑囚の過去を再現して「エデンの果実」を探します。

イスラーム教シーア派の一派に,要人暗殺を行ったニザール派というのがありました。他のイスラーム教徒からは,彼らが大麻を常用していたとされたため,「大麻野郎」を意味する「ハシーシー」と呼ばれました。これが十字軍時代にヨーロッパに伝わり,「暗殺」を意味する「アサシン」の語になったようです。

映画のアサシン教団も,明らかにイスラーム教徒なのですが,あまりそれは強調されていません。近年のイスラーム教徒の動きを刺激しないようにでしょうか。

さて,結局イベリア半島最後のイスラーム王朝であるナスル朝スルタンが「エデンの果実」を持っていたのですが,息子をキリスト教徒側に人質に取られて交換に「エデンの果実」を渡すという場面が出てきます。

ナスル朝最後のスルタンはムハンマド11世ですが,これは受験では出ないでしょう。

スルタンとは,11世紀にアッバース朝カリフからセルジューク朝の建国者トゥグリル=ベクがもらった称号で,以後イスラーム世界の君主が使いました。

また,その舞台はグラナダのアルハンブラ宮殿で,その中庭にある有名なライオンのパテオが出てきます。イスラーム教は偶像崇拝を厳格に否定するため,イスラーム世界では絵画や彫刻は発達しませんでした。ただし,例外にミニアチュール(細密画)があります。ライオンのパテオの噴水には,ライオンの彫刻がありましたね。

私は行って実際に見たのですが,アルハンブラ宮殿の奥にある玉座の天井には,歴代の王の肖像が描いてあります。やっぱり記録は何とか残しておきたかったのですね。

最後に「エデンの果実」はコロンブスの手に託され,彼が墓で持って行くと約束したことが判明しました。そこでセビリャの大聖堂に行くと,聖職者がうやうやしく「エデンの果実」を渡します。

ところが,コロンブスの遺体は,スペインで彼が亡くなったあと,遺言で彼が到達したサンサルバドルのあったドミニカに移されました。ドミニカが17世紀にフランス領になると,彼の遺体はスペイン領のキューバに移されています。さらに1898年のアメリカ=スペイン戦争でスペインが敗れると,スペインに戻されました。

つまり,ずっとスペインにあったわけではありません。この辺はちょっと設定が安直です。

まあ「ダ・ビンチ・コード」でも,最後に「聖杯」はルーブル美術館のガラスのピラミッドの下にあることになっていましたから,似たようなものです。

コロンブスの墓は,これも私も実際に行って見ましたが,あの通り,4人の王に担がれた状態で宙に浮いてる落ち着かない墓です。

テンプル騎士団は,「エデンの果実」を手に入れたましたが,それは人間を暴力から解放するとともに,自分たちが世界を支配するためでした。

そこでやはり現代まで続いていたアサシン教団が立ち上がり,奪い返します。その過程で,アニムスを開発していた女性の科学者は,アサシン教団に父を殺されたことから復習を誓います。

続編を作るのは間違いないですね。

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