「アサシンクリード」 (1) コロンブスと国土回復運動の完成

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さて,最初にとりあげるのは,2017年3月現在公開中の「アサシンクリード」です。
http://www.foxmovies-jp.com/assassinscreed/

死刑になった男が,目覚めると生きていて,ある財団の研究所に収容されています。かれはDNAの記憶をたどる巨大なクレーンのような機械に接続されて,過去の世界へ人間の自由意志を制御することができる「エデンの果実」を探しに行くことになります。

この映画は,元はゲームだそうですが,私は知りませんでした。

最初に私がこの映画を知ったのは,別の映画の前に流れる予告編でした。その予告編でまず気になったのは,「ルネサンス時代のスペイン」という言葉です。

ルネサンスと言えば,14世紀にイタリアで始まり,15世紀以降ヨーロッパ各地に広まった文化ですね。

スペインのルネサンスは,受験的にはセルバンテス「ドン=キホーテ」くらいしか出てきません。

いつの話なんだろと思っていました。映画を見ていると,1492年前後の話だということが分かります。15世紀の終わりだから,確かにルネサンスの時代ですが,映画にルネサンスはとくに出てきません。

むしろ,1492年と言えば,コロンブスのいわゆる「新大陸発見」の時代,つまり大航海時代ですね。

「新大陸発見」と書きましたが,今の世界史ではこうはいいません。「コロンブスのサンサルバドル到達」といいます。

コロンブスは死ぬまで,彼が到達した土地はインドだと思っていました。その誤解からアメリカ大陸の先住民は,「インディオ」とか「インディアン」すなわちインド人と呼ばれるようになったのです。それにインド人と呼ばれた人々が現に生活していたわけですから,ヨーロッパ人が知らない土地だったに過ぎません。

また,「アメリカ」の名前は,1500年頃にこの土地がインドではなくて「新大陸」だと報告したアメリゴ=ヴェスプッチにちなみます。

そして,この1492年は,スペインがイベリア半島最後のイスラーム王朝ナスル朝の都グラナダを占領して,国土回復運動すなわちレコンキスタを完成した年でもあります。

国土回復運動というのは,キリスト教徒がイスラーム教徒からイベリア半島を取り戻そうとする運動で8世紀から続いていました。スペインはカスティリャイサベルアラゴンフェルナンドが結婚して成立しました。

この映画でも,主人公たちが火あぶりにされそうになる宗教裁判に,イサベルとフェルディナント,2人の王が臨席しています。

それにグラナダ陥落の場面で,有名なアルハンブラ宮殿が出てきます。

今回は,この映画の時代だけで終わってしまいました。

まだまだ話は続きます。

まずは,コロンブスのサンサルバドル到達とスペインによるグラナダ占領すなわち国土回復運動の完成は,1492年というのを覚えておきましょう。

1492年を「石の国」とか「いよ国だ」とか,無理矢理ゴロ合わせで覚えなくても,もう覚えたのではありませんか。

年代は「覚える」のではなく,結果として「覚えてしまうもの」です。

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